ツアーナースは、旅行に同行して参加者の健康管理を担当する看護師のことです。主に修学旅行や企業の社員旅行などの旅行先で、体調不良を訴える人に応急処置したり、医療機関への受診をサポートしたりします。旅行中は気候の変化や普段と異なる食事、環境などが原因で体調を崩すことも少なくありません。その際に看護師がすぐそばにいれば、参加者は安心して旅行を楽しむことが可能です。ツアーナースはこうした旅行先での体調不良だけでなく、持病を抱えている人に対する旅行中のケアや相談に応じることも大事な役割となります。特に長期間にわたる旅行の場合は、旅行準備や注意事項の説明といった事前の計画にも力を入れます。
ツアーナースの魅力は、その仕事内容の多様性と独自のやりがいにあるでしょう。医療機関とは異なり、訪れる場所や出会う人々が毎回異なるため、豊富な経験を積めるのがポイントです。また、旅行先での現地の文化や自然に触れられる機会が多いのも魅力と言えます。仕事の合間に観光地の美しい景色や現地の人々との温かい交流を楽しめられるので、これがモチベーションにもつながります。参加者の笑顔や感謝の言葉に直接触れられることが多いのも、ツアーナースならではの特権です。医療機関で働いていると得られない、患者の生活や旅の一部に関われるという特別な喜びを感じられるはずです。ツアーナースは現場に一人のケースも多いので、責任は大きいもののその分充実した時間を過ごせるのが魅力でしょう。
保育園で働く看護師の役割は、保育園に通う子どもたちの健康管理が中心です。毎日の健康状態の確認はもちろん、体調が急変した際の応急処置も大事な業務の一つとなります。子どもたちは活発に動き回り、注視していても転んだりぶつかったりすることがあるため、小さなケガの手当てや健康に関するアドバイスの提供も求められます。食物アレルギーを持つ子どもがいる場合、看護師は食事中やおやつの時間に、子どもが誤ってアレルゲンを摂取しないように注意を払わなければなりません。入園時に保護者から健康状態やアレルギー歴を聞き取り、その情報をもとに適切な対応を行います。また、定期的な健康診断や予防接種をスムーズに進行させるため、医療機関との調整役も担います。
保育園の看護師は、そのほか園内での感染症対策にも力を入れているものです。体調不良の子どもが出た際には迅速に対処し、感染症の拡大を未然に防ぐ必要があります。保護者に対しては、病状や必要な医療対応についての情報提供を行います。時には保育士と協力して環境の衛生状態を保ち、感染症が発生しにくい清潔な空間づくりにも関わるでしょう。さらに、健康教育を通して子どもが自ら進んで手洗いやうがいを行うように指導します。保育園での生活は、子どもにとっては初めての集団生活となるケースが多いです。子どもが安心・安全に過ごせるように、常に注意を払うことが求められます。保育園の看護師の仕事は、単に病気やケガの対応だけでなく、子どもの健やかな成長を支える大切な役割を担っているのです。